社会学部キャリア支援プログラム
就活フォーラムウィーク/トークライブ・イベントレポート

2022/04/30

卒業生

OVERVIEW

2021年12月9日、「就活フォーラムウィーク」のメインイベントとして、フリーアナウンサーの宇賀なつみさんをゲストにお招きし、オンラインによる講演会が開催されました。

自分らしく働き自分らしく生きる 独立3年で見えてきた私のワークライフバランス

【宇賀なつみさんプロフィール】
2005年 立教大学社会学部入学
2009年 卒業後、テレビ朝日入社
2019年 テレビ朝日退社。以後、フリーとして活躍

私がやりたいことは「人に何かを発信して伝える」こと

社会学部卒業生であり、現在フリーアナウンサーとして各方面で活躍する宇賀なつみさん。知名度は抜群で120名近い聴衆を集めオンライントークが開かれました。冒頭、キャリア支援委員会委員長の小泉元宏准教授より挨拶があったあと、さっそく画面に宇賀さんが登場。テレビ出演時と変わらない明るい笑顔と、聞きなじみのあるやわらかな声で、小学生~中高生~大学生までを振り返るところからお話しいただきました。

「小学生のときは放送委員の新聞係でした。中高生のころはフリーペーパー全盛期だったので、それを集めてきては記事を切り貼りしてオリジナルの雑誌を作っていましたね。私は昔から、自分で見たこと聞いたことを自分の言葉で人に伝えたいという気持ちをいつも持っていました。将来は漠然とマスコミ関係に進みたいと思っていたので、それならば立教大学の社会学部しかないと思い入学しました」。

大学時代は「真面目とはいえない学生」と言いつつ、全力で好きなことを追求した4年間でした。「学ぶ授業や友だち、行きたい場所や会いたい人、何でも自由に選び決められるのが大学生です。そんな時間って社会に出るとありませんよね?自分は何が好きなのか、何をしているときにうれしいのか。どうしたら苦手なことを極力やらずに済むのかをいつも考えていました。とにかく旅行と飲み会が大好きな学生でしたね(笑)」。

就活を機に自分のアピールポイントを真剣に考える

アナウンサーの道に進む最初のきっかけとなったのは、3年生のときにかけられた先輩のひと言。「そろそろ就活サイトに登録しておけよ!って、先輩が教えてくれたんです。さっそく登録・検索してポンと上に出てきたのが、テレビ局の1日体験セミナーでした。その先輩がいなかったら、今の私はなかったですね(笑)。体験セミナーに参加するとあまりにも楽しく「マスコミで働きたい!」とやる気に火がつき、彼女が本来持っていた好奇心と情報収集能力をフル稼働させることに。マスコミ関係の仕事・業種を徹底的に調べるほか、大のビール好きだからとビール会社も候補に入れるところが宇賀さんらしさです。結果的には、キャリアのスタートとなるテレビ朝日の内定を獲得するに至ります。

「私は女子アナの登竜門といわれるミスコン出身でも帰国子女でも、スポーツ優秀者でもありません。特別な資格もなく、アナウンサースクールに通ったこともありませんでした。就活を機に、そんな自分の強み、アピールポイントが何かを真剣に考えましたね。テレ朝の面接の際、私の脳内は旅行やお酒、自分の言葉で何かを人に伝えること、あれもこれも興味のあることでいっぱいです!ビールメーカーも受けようと思っています!と、素直に伝えました」。宇賀さんいわく、面接は明るく元気に、笑顔でハキハキと対応できればそれだけで80%は合格。失礼さえなければ、必要以上に自分を良く見せようとすることはないと言います。「学生の価値は誰よりも長く『未来』を持っていること。面接官の方々に、若者の夢とパワーを感じてもらうだけでOKではないでしょうか。専門的なことは入社後にいくらでも学ぶことができますから」。

個人で働き方改革を実行し独立。働くペースや休み方を模索

テレ朝に入社後は言うに及ばずで『報道ステーション』『羽鳥慎一モーニングショー』『池上彰のニュースそうだったのか!!』などのレギュラーを複数持ち、取材や中継のため全国を飛び回り日帰り出張することもしばしば。天気やスポーツキャスター、ワイドショーのアシスタントなど局アナとして八面六臂の活躍で10年があっという間に過ぎました。「とにかく最前線を走り続けた10年でした。生活は不規則で、睡眠時間が満足にとれないこともありましたが、局アナとしてやれることはすべてやりました。10年の節目を迎えるころ、自分自身の働き方改革として、フリーという道を考え始めました」。

アナウンサーが独立する場合、通常は芸能事務所などに所属しますが、彼女は「せっかく独立するなら全部を自分でやってみたい」と、個人事務所を設立。「会社の登記、事務所の開設、名刺やHPの作成など友だちの力も借りながらすべて自分でやりました」。そして、10年間頑張ってきたご褒美として、独立後の半年間、仕事にかける時間を少し減らし、それ以外の時間は読書や映画鑑賞、旅行、会えなかった人との交流など、今までできなかったことを楽しみながら、ゆったりと充電生活を送りました。

そして半年が経ったころ「生活は規則正しくなり、健康的にもなったけれど・・・。少し物足りなくなってしまって(笑)」。コロナ禍を経てレギュラーを2本増やし、旅やお酒のコラム執筆のほか、来る仕事を受けているとスケジュールはすぐにいっぱいに。再度仕事の整理・見直しを行うことになりました。

「フリーとしては、お仕事をいただけるだけでありがたいのですが、私の基本は、やはり好きで得意だと思うものに絞るべきだと気づきました。たとえば、モデルのような苦手なことを無理にやる時間がもったいないと思うようになったのです。そしてやりたい仕事のパフォーマンスを上げるためには、休みもしっかりとらなければと、あらためて週休2日は必ず、毎月3連休を2回以上とることを目標にしました。休日に遊んだり、取り組んだりすることが仕事にフィードバックされることもあるので、休むことも仕事だと考えています」。

「自分は個人事務所の商品でもある」という宇賀さん。年に2回は新商品を出すつもりで、興味のある新たな仕事にもチャレンジしています。「今年はルームウエアの企画・通信販売に携わりました。また、ミニドラマの脚本も書かせていただきました。どちらもこんなに楽しい仕事があるのかと、とても勉強になりましたね。いろいろな方面からお声をかけていただけるので、やりたいと思ったらとにかくやってみる。この先、アナウンサー以外の仕事が本業になるかもしれませんし、できるだけ球数を多く投げておく作戦です。フリー3年目にして、やっと自分のペースや仕事のスタイルがつかめてきましたね」。

ポジティブな宇賀さんに触発され、質疑応答が活発に行われる

学生との座談会や質疑応答では、彼女のポジティブでおおらかな面、意外と古風な面も垣間見ることができました。「会話力を磨くためには、どうしたらよいですか?」の質問には「話す相手に対して興味を持ち、好きになって、あなたのことをもっと知りたいです。というスタンスで会話をすれば、必ず心を開いてくれます。就活の面接も同じです。今日はどのような面接官とお話しできるか楽しみ!どのような会社だろう?という姿勢で臨めば、いちばん輝いて見えるはずです。自分を良くみせよう、良く見られたいと思わないことがポイントですね。あとは少し目上の人、少しだけ気を遣う大人とできるだけたくさん会話をしていると、会話のスキルを上げることができますよ」。

「就活の際、ご自分の強みをどのようにアピールしましたか?」という質問に対しては「これといった強みがなかった私は、自分の強みを考え抜いた末に、ウリがないことがウリだ!と気がつきました。エントリーシートを見てその人がわかってしまうなんてつまらなくないですか?思わず企業側が質問したくなるようなアピールの仕方があると思います。どんな人でもその人なりの何かがあるはず。つまりは人間力を鍛えておくことですね」。

「人とのコミュニケーションを円滑にするため、大切にしていることは?」という質問に対しては「古くさいですが、義理人情です。礼儀を尽くして、人の気持ちを裏切らないことです。たとえばお世話になった人には報告やお礼をする。ときには相談事をして頼りにさせてもらうなどです。テレ朝を退社するときは半年前からアナウンス部部長、局長、社長、会長と順に事情説明をさせてもらいました。そうすることで皆さんの理解を得られ、独立を応援していただけました。コロナで時間ができたときは、お世話になった方々へ電話やメールなどで近況報告をしたのですが、とても喜ばれましたね。私は『人脈』という言葉があまり好きではありません。下心が透けて見えるようだからです。人間関係に関しては逆算しない主義で、好きで仲良くなりたい人とつながりたいと思っています。人が好きだから今の仕事を選んでいる、とも言えますね」。

最後に「私は幸いにして、自分の好きなことが仕事に結びつきました。学生の皆さん、2度とない貴重な4年間を大切にして自分の『好き』や『得意』をぜひ見つけてください。今はSNSの発達によって、誰でも情報発信者になれますし、またひとつの会社にこだわらなくてもよい時代になりました。本気でやりたいと思えば、理想の働き方や生き方は実現します。失敗を恐れずに、チャンスはいくらでも転がっています!」と、締めくくってくださいました。

講演を終えての聴講者の感想

講演後、聴講した学生に感想をたずねると「メディア以外の業界にも通じる働き方、仕事の選び方、生き方の参考になりました」、「自分は話すことが得意ではないので、宇賀さんのひとつひとつの言葉に勇気をもらいました」、「就活に対する緊張がほぐれ、肩の荷がおりました。もっと気楽に考えてもよいのだと教えてもらいました」などのコメントが数多く寄せられました。

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