SDS(ソーシャルデータサイエンス)コース社会学部の概要
21世紀、ソーシャルメディアを始め、社会全体のデジタル化、データ化が爆発的に進展するとともに、深層学習によるブレイクスルーが、データ分析、人工知能の革新を劇的に加速し、人類社会は大きな利便性、可能性と深刻な課題に直面しています。社会学部では、こうした社会の変化に対応し、社会科学の観点から、先進的データサイエンスを修得して、現代社会の可能性と課題に積極的に取り組む21世紀の教養人を育成するため、SDS(ソーシャルデータサイエンス)コースを、2025年度から開設することになりました。
(注)SDSコースは設置準備中のため、内容が変更になる場合があります。ご承知おきください。
(注)SDSコースは設置準備中のため、内容が変更になる場合があります。ご承知おきください。
SDSコース開設記念特別企画
SDS(ソーシャルデータサイエンス)コースの開設を記念して、教員や学生にSDSコースでの学びについて語ってもらいました。
SDSコースの概要
- SDSコースは、社会学部が展開する社会学、社会調査法の基礎・発展とともに、ダイナミックに発展しているデータサイエンスの先進的理論・方法を実践的に修得する科目により編成されるコースです。
- SDSコース選抜用の入試はありません。SDSコースは、入試で選抜するのではなく、社会学部入学後の1年次春学期に、コース生の選抜を行います。選抜方法は、SDSコースへの適性・意欲を判断するエントリーシートと面接により行われる予定です。定員は20名を予定しています。
- SDSコースの選択者は、学科の所属にかかわらず、学科横断的な「SDSコース指定科目」を履修します。また、3年次の「専門演習2」と4年次の「卒業論文演習」を、所属学科にかかわりなく履修します。
- コースの卒業生は、社会学部の所属学科(ソーシャルデータサイエンスコース)卒と称します。
- コース生以外の社会学部生にも、ソーシャルデータサイエンスに接する機会を提供するため、社会学部生が受講可能なSDS系講義科目、演習科目も2025年から設置される予定です。これらの科目を履修することで、情報処理推進機構ITパスポート試験、データサイエンティスト協会データサイエンス検定リテラシーレベル、日本ディープラーニング協会G(ジェネラリスト)検定などに対応した知識、スキルの基礎も修得してもらうことができます。
ソーシャルデータサイエンス科目体系
※SDSコースは設置準備中のため、内容が変更になる場合があります。
社会学部のSDS系科目
プログラミング基礎実習A
Pythonによるプログラミングの初歩から基礎を身につけ、「自然言語処理」による「テキストデータの計量的分析」の手法を学びます。その上で、実際にテキストデータを分析し、Pythonを用いて、テキストデータからどのような分析結果を得ることができるかを理解します。
プログラミング応用実習A
Pythonを用いながら、「プログラミング的思考」とは何かを学ぶと同時に、「自分自身でプログラミングを学ぶためのスキル」を学びます。また自分自身のPCに「プログラミング環境を構築する」ノウハウについても身につけます。特に「プログラミングを理解すること」よりも「プログラミングを動かせるようになること」を重視して授業を行います。
ソーシャルデータサイエンス実習I A
この実習では、実際のドラッグストアの協力を得て、最新の「ID-POS データ(匿名化された数百万行の購買履歴データ)」を、Pythonを用いて分析します。購買履歴データを分析する上での基本的な分析手法を学んだ上で、グループごとに分かれ、それぞれ分析テーマを決めて、互いに協力しながらビッグデータ分析を行い、最終発表をしてもらいます。
ソーシャルデータサイエンス実習Ⅱ
ソーシャルデータサイエンス実習I Aを踏まえて、この実習では、Amazonなどの小売業者やメーカーが使用する高度な分析手法を学びます。これらの分析手法を用いてグループごとに分かれ、それぞれ分析テーマを決めて、互いに協力しながら、Pythonを用いたビッグデータ分析を行い、最終発表してもらいます。
ソーシャルデータサイエンス概論
ICT化が著しく進む社会におけるデータサイエンス領域の概論の授業です。国内外の膨大なデータの活用事例の講義をします。実際のビジネス領域、研究領域までの大規模なデータを用いた事例から、応用として大規模シミュレーションの紹介もします。
ソーシャルデータサイエンスⅠ基礎・発展
この科目では、社会におけるデータの利活用や、データリテラシー、注意事項を学びます。基礎ではデータの読み方や扱い方を中心とした内容などを、発展ではアルゴリズムやデータ利活用の実践にかかわる内容などを、講義します。
ソーシャルデータサイエンスⅡ基礎・発展
この科目では、人工知能、機械学習やディープラーニング、およびそれらを支える統計数理を学びます。基礎では統計学と機械学習を中心とした内容などを、発展ではディープラーニングの手法やその社会実装にかかわる内容などを、講義します。
SDSコース設置の背景
立教大学社会学部は、数理社会学、計量社会学、計算社会科学、ソーシャルデータ分析、デジタル人類学などを専門とする教員を擁しており、ソーシャルデータサイエンスの進展に対応した授業実践を積み重ねてきました(以下の関連ページを参照ください)。また、大学院社会学研究科で、2016年度から、「デジタル社会学のリサーチデザイン」として、大規模なソーシャルデータ(SNS投稿、動画サイトコメント、スマートフォン利用ログデータなど)を対象としたデータ分析、計量テキスト分析に取り組んでおり、先進的なソーシャルデータサイエンスの理論と方法を実践的に展開する演習で、優れた大学院教育に寄与しています。こうした活動の積み重ねをもとに、この度、社会学部の新たな教育として、SDSコースを開設することになりました。