松竹株式会社
福本 淑乃さん
2023年度 現代文化学科 卒業
2026/04/20
卒業生
社会学部の「懐が深さ」「寛容さ」に育てられた4年間
心に残る思い出づくりのお手伝い。お客様に「機会」を提供する仕事
松竹株式会社は、歌舞伎を含む演劇興行を行う企業で、関東エリアに所有する劇場はふたつあります。ひとつは1年中歌舞伎興行を行う歌舞伎座、もうひとつは歌舞伎を上演することもありますが、それ以外の新派と呼ばれる演劇、喜劇やミュージカル、アイドルの舞台公演などさまざまなジャンルのエンターテインメントを上演する新橋演舞場があります。
私は演劇本部の所属で、普段の勤務地は新橋演舞場の中です。業務内容は、演劇のチケットセールスを担当する営業職です。学校行事や授業で観劇経験がある方も多いと思いますが、まさにその機会を提案し、提供する仕事を行っています。一般に団体観劇と呼ばれ、学校での観劇会の他に企業の福利厚生サービス、周年行事などでもご利用があります。そのため、取引先は一般企業から各種法人、地域団体、学校など多岐に渡ります。エンタメ企業の中における最前線、コンテンツをお客様へお届けする橋渡し役の仕事です。
営業職のため外回りもありますが、どちらかというと劇場内でお客様と接する時間が長いですね。それがメインの日の場合は、お客様の入場のお出迎えやチケットのもぎり、座席へのご案内などの仕事がメインになります。舞台の上演中は営業の準備や外回りをしつつ、上演が終わるころにはまたお見送りをして、その後はまたデスクワークなどを行うといった感じです。
商品を売るというよりは「機会」を売る、心に残る思い出づくりのお手伝いをするイメージです。自分が提案したこと、提供した機会でお客様に喜んでいただくことがこの仕事の魅力で、どうやって届けたらいいのだろうか、会社にとっての最適解と、お客様の満足度の両方を考えながら業務を行っています。基本的には自分の裁量で仕事ができるので、外回りは1人で行くことが多いですが、大きな顧客様のところには先輩と出かけたりもします。歌舞伎や演劇に興味がありそうなお客様を狙って行くこともあれば、自分がその企業に関心があるから営業に行くという場合もあります。大袈裟かもしれませんが、自分の手で演劇の裾野を広げ、より多くの人にお届けし、そして届けた先の人々の人生がより豊かになるかもしれない。自分の仕事が、誰かの何かのきっかけになるかもしれないと考えると、大きな喜びとやりがいを感じます。
劇場でお客様と接することが多いので、直接反応を肌で感じられることもうれしいです。大型バスで遠方からいらっしゃるご年配のお客様から、私と同世代のお客様まで、公演によって世代がまったく違うので、幅広い方々とお話ができて私も楽しませてもらっています。営業職と接客業のいいとこ取りです。
私は演劇本部の所属で、普段の勤務地は新橋演舞場の中です。業務内容は、演劇のチケットセールスを担当する営業職です。学校行事や授業で観劇経験がある方も多いと思いますが、まさにその機会を提案し、提供する仕事を行っています。一般に団体観劇と呼ばれ、学校での観劇会の他に企業の福利厚生サービス、周年行事などでもご利用があります。そのため、取引先は一般企業から各種法人、地域団体、学校など多岐に渡ります。エンタメ企業の中における最前線、コンテンツをお客様へお届けする橋渡し役の仕事です。
営業職のため外回りもありますが、どちらかというと劇場内でお客様と接する時間が長いですね。それがメインの日の場合は、お客様の入場のお出迎えやチケットのもぎり、座席へのご案内などの仕事がメインになります。舞台の上演中は営業の準備や外回りをしつつ、上演が終わるころにはまたお見送りをして、その後はまたデスクワークなどを行うといった感じです。
商品を売るというよりは「機会」を売る、心に残る思い出づくりのお手伝いをするイメージです。自分が提案したこと、提供した機会でお客様に喜んでいただくことがこの仕事の魅力で、どうやって届けたらいいのだろうか、会社にとっての最適解と、お客様の満足度の両方を考えながら業務を行っています。基本的には自分の裁量で仕事ができるので、外回りは1人で行くことが多いですが、大きな顧客様のところには先輩と出かけたりもします。歌舞伎や演劇に興味がありそうなお客様を狙って行くこともあれば、自分がその企業に関心があるから営業に行くという場合もあります。大袈裟かもしれませんが、自分の手で演劇の裾野を広げ、より多くの人にお届けし、そして届けた先の人々の人生がより豊かになるかもしれない。自分の仕事が、誰かの何かのきっかけになるかもしれないと考えると、大きな喜びとやりがいを感じます。
劇場でお客様と接することが多いので、直接反応を肌で感じられることもうれしいです。大型バスで遠方からいらっしゃるご年配のお客様から、私と同世代のお客様まで、公演によって世代がまったく違うので、幅広い方々とお話ができて私も楽しませてもらっています。営業職と接客業のいいとこ取りです。
何でもやってみる、人の話を聞く姿勢を身につけ、フィールドワークで足を鍛えた立教時代
私は、小学生のころから歌舞伎が好きでした。きっかけは、名古屋市主催の教育行事で子ども歌舞伎に申し込み、体験したことでした。そこから頭の片隅に、いつか演劇興行にたずさわれたらいいなあと思っていたのです。高校3年生の文化祭とき、1度だけクラス演劇を体験したこともあり、立教に入ってからは大学外の演劇サークルに所属しました。サークルでは主にミュージカル公演を行い、そのときは表に出る役者ではなく、裏側のスタッフ専任でした。チケット販売や稽古スケジュールの管理、役者や指導に入られる先生方との調整役など、自分の担当作業を「仕事」と呼んで没頭していました。所属団体は、公演の際にはプロの技術スタッフを頼んでいたので、裏方のプロの仕事を知ることができました。
就活は、自分の好きなこと、興味関心のある業種でないと続かないと思ったので、エンタメ業界で、演劇に少しでもたずさわれるような企業を探していました。公演を生み出す、企画するところから、お客様に届ける現場まであらゆるフェーズに携われる環境を求めていたので、松竹はまさにドンピシャでした。運がよかったですね。
話はさかのぼって、立教大学を選んだ理由は、社会学部のパンフレットを読んだときに、スポーツブランドの研究をしているという学生の記事を読んで「何でもできる」ことに惹かれたからです。講義内容が多岐に渡っているので、ひとつの関心事をいろいろな視点から学びを深められ、また、自分の好きなことを研究できると思いました。大学生は自由で、自分の関心のあることを学びきる時期ととらえていたので、就活や職業に直結して考えてはいませんでした。
大学で身につけた学びで役立ったことは「とりあえずやってみる」ことと「ひとまず聞いてみよう」精神です。入社して経験も浅いため、頭で考えてもわからない場面に多く遭遇します。そんなとき、「とりあえずやってみよう!」という思い切りと積極性は、現在でも役に立っています。そして職種柄、社内外問わず職種を越えた協働を必要とされる場面が非常に多く、コミュニケーションが欠かせません。何をするにも、自分の意見だけでなく他の人の意見をひとまず聞き入れてみるという柔軟性は、日々のコミュニケーションに活かされています。
あとは、フィールドワークで培った健脚ですね。大学時代、たくさん歩きながら研究する「フラヌール」を体験したおかげで、長距離の徒歩が苦痛になりません。フラヌールとはフランス語で「遊歩者」を意味するそうなのですが、ゼミで地域を目的もなく歩くという研究がありまして、本当にたくさん歩きました。いろいろな地域を渡り歩いていると、街の人たちの雰囲気や服装やお店などが変わっていくところがおもしろかったですね。時間帯によって匂いも変わるので「このお家の夕飯はカレーかな?」とか。おいしそうなお店を探したりしました。営業職は健脚であることがとても重要だなと、密かに実感しています。
就活は、自分の好きなこと、興味関心のある業種でないと続かないと思ったので、エンタメ業界で、演劇に少しでもたずさわれるような企業を探していました。公演を生み出す、企画するところから、お客様に届ける現場まであらゆるフェーズに携われる環境を求めていたので、松竹はまさにドンピシャでした。運がよかったですね。
話はさかのぼって、立教大学を選んだ理由は、社会学部のパンフレットを読んだときに、スポーツブランドの研究をしているという学生の記事を読んで「何でもできる」ことに惹かれたからです。講義内容が多岐に渡っているので、ひとつの関心事をいろいろな視点から学びを深められ、また、自分の好きなことを研究できると思いました。大学生は自由で、自分の関心のあることを学びきる時期ととらえていたので、就活や職業に直結して考えてはいませんでした。
大学で身につけた学びで役立ったことは「とりあえずやってみる」ことと「ひとまず聞いてみよう」精神です。入社して経験も浅いため、頭で考えてもわからない場面に多く遭遇します。そんなとき、「とりあえずやってみよう!」という思い切りと積極性は、現在でも役に立っています。そして職種柄、社内外問わず職種を越えた協働を必要とされる場面が非常に多く、コミュニケーションが欠かせません。何をするにも、自分の意見だけでなく他の人の意見をひとまず聞き入れてみるという柔軟性は、日々のコミュニケーションに活かされています。
あとは、フィールドワークで培った健脚ですね。大学時代、たくさん歩きながら研究する「フラヌール」を体験したおかげで、長距離の徒歩が苦痛になりません。フラヌールとはフランス語で「遊歩者」を意味するそうなのですが、ゼミで地域を目的もなく歩くという研究がありまして、本当にたくさん歩きました。いろいろな地域を渡り歩いていると、街の人たちの雰囲気や服装やお店などが変わっていくところがおもしろかったですね。時間帯によって匂いも変わるので「このお家の夕飯はカレーかな?」とか。おいしそうなお店を探したりしました。営業職は健脚であることがとても重要だなと、密かに実感しています。
多くの人に歌舞伎や演劇を知ってもらい、後世に繋いでいきたい
社会学部の魅力は、何でも学べて、何でも受け入れてくれること。このふたつが大きいです。授業でいえば、一見、関心のある分野とかけ離れていそうな授業でも、思わぬところでつながりが見えてきたり、日常生活のふとした場面で「あ、この状況はあの授業のあれのことか」なんていう気づきや発見があったり。世の中のあらゆることを「社会学」として学べる懐の広さを感じました。
そして何より、社会学部の皆さんの寛容さ、これがとても居心地がよかったです。とくにゼミの先生や仲間たちとは素晴らしい時間を共有できました。頭ごなしに否定したり、考え方を強制したりするのではなく「そのような考えもいいよね。ありだよね」と、お互い相手の考え方を尊重しながら自分の意見を伝えるという空気がありました。現代文化学科はとくに学べる分野の幅が広いこともあり、いろいろなことに関心のある人が多いためなのか、おかげでのびのびと無邪気に学ぶことができました。
フィールドワークがメインのゼミだったのですが、福島の檜枝岐村に行き、農村歌舞伎に触れることができたことや、地元の名古屋市で行われていた国際芸術祭に足を運び、あるアートプロジェクトを題材に卒論を書いたことが印象に残っています。卒論を仕上げる作業は、愛知と東京を行ったり来たりをくり返し、先生からのダメ出しが続くなど苦労の連続でしたが、今振り返るととても充実していた期間だったと思います。ひとつのことに時間をかけて向き合い、自分の文章でテーマについてまとめ上げる経験は、今後もなかなかできない貴重なものでした。
今後の仕事上の目標としては、とくに歌舞伎公演の宣伝業務に携わり、演劇の川上から川下まで、いったん全部を経験してみたいと思っています。今はお客様に近い最前線で、皆様に観劇の機会を提供する役割を担っていますが、次はその前段階の宣伝業務に携わりたいです。時代が進んでいくと、デジタルに強い年配者が増えていくことが予想されます。であるなら、今後はどう効果のある宣伝活動を行ったらよいのかなどを考えてみたいですね。より多くの人に歌舞伎や演劇を知ってもらい、後世に繋いでいきたいと思っています。
そして何より、社会学部の皆さんの寛容さ、これがとても居心地がよかったです。とくにゼミの先生や仲間たちとは素晴らしい時間を共有できました。頭ごなしに否定したり、考え方を強制したりするのではなく「そのような考えもいいよね。ありだよね」と、お互い相手の考え方を尊重しながら自分の意見を伝えるという空気がありました。現代文化学科はとくに学べる分野の幅が広いこともあり、いろいろなことに関心のある人が多いためなのか、おかげでのびのびと無邪気に学ぶことができました。
フィールドワークがメインのゼミだったのですが、福島の檜枝岐村に行き、農村歌舞伎に触れることができたことや、地元の名古屋市で行われていた国際芸術祭に足を運び、あるアートプロジェクトを題材に卒論を書いたことが印象に残っています。卒論を仕上げる作業は、愛知と東京を行ったり来たりをくり返し、先生からのダメ出しが続くなど苦労の連続でしたが、今振り返るととても充実していた期間だったと思います。ひとつのことに時間をかけて向き合い、自分の文章でテーマについてまとめ上げる経験は、今後もなかなかできない貴重なものでした。
今後の仕事上の目標としては、とくに歌舞伎公演の宣伝業務に携わり、演劇の川上から川下まで、いったん全部を経験してみたいと思っています。今はお客様に近い最前線で、皆様に観劇の機会を提供する役割を担っていますが、次はその前段階の宣伝業務に携わりたいです。時代が進んでいくと、デジタルに強い年配者が増えていくことが予想されます。であるなら、今後はどう効果のある宣伝活動を行ったらよいのかなどを考えてみたいですね。より多くの人に歌舞伎や演劇を知ってもらい、後世に繋いでいきたいと思っています。