メディア社会学科、砂川 浩慶教授に聞く、10の質問

2019/05/01

教員

Q.1 今までの経歴を教えてください。

1963年に沖縄の宮古島に生まれました。小学生の頃から埼玉と東京で暮らし、現在は東京に住んでいます。86年に早稲田大学を出て民放の業界団体(民放連)に20年勤めて、放送制度、著作権、地上デジタル放送などを担当しました。その傍ら、96年から立教大学で非常勤をしていました。2006年にメディア社会学科が開設するのにあたり、メディアの現場を知っているとの理由で、常勤として立教大学に転職しました。

Q.2 学生時代はどんな学生でしたか?

本はとにかくたくさん読んでいましたが、授業に熱心に出ていた学生だったとは言い難いですね。母校である早稲田実業高校のハンドボール部の監督を週7日、放送局をはじめアルバイトを週7日と忙しい日々を送っていました。ハンドボールに関しては、今でも立教大学のハンドボール部の副部長をやっています。

Q.3 専門の研究領域について教えてください。

放送を中心としたメディア法制・メディア産業、ジャーナリズム論が中心テーマです。著作権の問題をはじめとしたコンテンツ流通なども関心がありますが、最近もっとも気になっているのは、若者のインターネットリテラシーです。インターネットに使われるのではなく、どう使いこなすかということを、学問的にも考えていかなければならないと感じています。

Q.4 担当している授業の内容について教えてください。

「メディア産業論」では、テレビ・新聞・出版・ラジオといったマスメディア、20世紀に登場した広告の役割、そしてインターネットのメリット・デメリットなどを教えています。私の授業の特徴としては、ドキュメンタリー映像などを学生に見せることが多いですね。また、学科の特徴の一つでもある、メディア企業向けのインターンシップも担当しています。それと、前職の経験を活かし、2018年度までに、TBS、日本レコード協会、JASRAC(日本音楽著作権協会)から寄附講座を受けて担当していました。

Q.5 担当しているゼミの内容について教えてください。

「抜きん出たヘンな人になろう」「本物に触れよう」を目標に、メディアを実践するゼミを心掛けています。「ゼミを練習の場」であると捉え、社会に出た時点からを逆算し、メール連絡、挨拶、プレゼンテーション、ディベートなどを磨いていくのが特徴です。私のゼミは課題が多いことでも有名ですが、その分、一年後には学生自身が自分でも驚くくらい成長できていると思いますよ。

Q.6 ゼミを通じて特に学生に伝えたいことは何ですか?

ゼミの目標を実感してもらいたいというのが第一です。そのうえで、コツコツと積み重ねることで「努力は人を裏切らない」ことを体感してほしいですね。私のゼミでは、学生同士がレポートなどを採点し合うのですが、そうすると学生同士でも、努力をしている人が伸びているというのがはっきりとわかる。ゼミの課題が多い分、やっている、やっていないの差が出やすいのです。そういう部分からも、努力することの大切さを感じられるのではないでしょうか。また、ゼミには卒業生もよく来てくれるのですが、さまざまな人々と触れ合うなかで、一生の友と巡り会ってほしいと思っています。

Q.7 社会学の魅力は何ですか?

「なんでも社会学」というように、さまざまな関心が学問として開かれている点だと思います。立教の社会学部には30人を超える専任教員がいますが、皆さん本当に専門領域はバラバラ。先生同士で雑談をしていても、「そんな研究をやっているのか」と驚かされることがよくあります。つまり、自分が好奇心を持ったことであれば、理論的にも、実践的にも学問として成立させられるのが社会学なのです。

Q.8 どのような学生が社会学部により合っていると思いますか?

「WHY」を常に持っている人が向いているのではないでしょうか。社会の動きを見ながら、いつも、「なぜ」、「どうして」ということに興味を持てる好奇心旺盛な学生を期待したいですね。

Q.9 学生におすすめしたい本を教えてください。

一人の作家を決めることや一つのテーマを決めるなど、自分なりの関心を見つけて、とにかくたくさんの本を読んでほしいと思います。そこで読解力を養い考える力をつけてほしい。私の場合は、学生時代から壁にぶつかるたびに、司馬遼太郎さんの『峠』という本を何十回と読み直しています。

Q.10 最後に高校生へのメッセージをお願いします。

高校生までの勉強というのは、必ず正解のある勉強です。けれど、「これが正しい」という正解がないのが大学の学びであり、社会学という学問です。そのなかで、正解がないことを恐れるのではなく、むしろ自分なりの考えを構築できるということにワクワクしてほしい。ぜひ、自分自身の興味・関心を大切にして、好奇心を持って立教大学の門を叩いてください。

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