社会学部現代文化学科4年の友井エミィチカさんにインタビュー

現代文化学科 友井エミィチカ

2024/04/16

在学生

OVERVIEW

社会学部現代文化学科4年の友井エミィチカさんに、立教大学での学びについて語っていただきました。

社会とスポーツについて学びを深め、さらに海外の大学院へ

バレーボールと学業を両立させるため立教大学に入学

高校は、女子バレーボール部の強豪校でした。そこで副キャプテン、スパイカーとして部活一筋。立教大学はアスリート選抜で入学しました。全日本大学バレーボール連盟に加盟する大学は、全9部にランク付けされており、その1部に進学する選択肢もあったのですが、3部(現在は2部)の立教大学を選んだのは、シンプルに勉強がしたかったから。幅広い分野を学ぶことで自身の視野を広げ、バレーボールと学業を両立したかったからです。

もしランク1部の大学へ進んだとしたら、高校と同じようにバレーボール中心の毎日になり、勉強のほかにアルバイトやインターンシップ、留学などの社会経験を積む余裕があるのか心配でした。年齢を重ねたとき、自分のスキルがバレーボールだけというビジョンは私にはありませんでした。私にとってできること、やれることは何だろう。いったんはトップ選手から離れ、フラットに将来を考える時間を過ごしたいと考えました。

そして私は父がナイジェリア人、母が日本人のハーフです。現代文化学科で、移民・難民やジェンダー問題など、自分のバックボーンも含んだ国際的なトピックや環境についてなど、さまざまな分野に触れることができることに期待しました。

全学部共通科目「スポーツと社会」の受講が転機に

社会学の基礎となる1年次の「社会学原論」や「社会調査法」などで、最初は頭がパンクしそうになりましたが、何とかついていきました。2~4年次にかけてこれらの基礎に立ち戻り、一致することがたくさんあったので、大変でしたが身についていたことをあとで確認することができました。

1年次では、難しいことばかりではなく、面白くワクワクするような科目もありました。「流行論」はまさにそれで、ファッショントレンドの変遷と社会現象などをみていく内容で、高校では体験したことがないような、まったく新しい景色の講義でした。映画や写真を使いながら進められ、20 世紀の流行の加速化や循環性、情報化・グローバル化の進展する現状がどのように「流行」「トレンド」と結びついているのかを理解することができました。

私の転機は、3年次からスポーツウエルネス学部の講義を受けたことです。全学部共通科目にこの学部の「スポーツと社会」という講義を発見し、やはりアスリートとして興味を持ちました。「スポーツとは?」という根源的なことに始まり、どのような過程を経て現代のスポーツがあるのか、また、スポーツが直面しているさまざまな社会問題、例えばドーピングや競技における男女格差などについて知ることができました。これをきっかけに、やはり自分はスポーツ分野にとても興味関心が高いことを、あらためて認識しました。

ゼミの学びの中で自身のアイデンティティについて考える

ほかにも「スポーツジャーナリズム」や「スポーツコーチ学」などの講義も受けました。とくに「スポーツコーチ学」は、部活の中で活かすことができました。立教大学女子バレー部はコーチがいるわけではなく、部員たちが自主的に進めていく形だったので、どのような方法をとれば強くなれるかを知りたいと思い、部員4人でこの講義を受けました。

その中で得た知識をもとに、後輩への声のかけ方を工夫したり、目標にどう向かっていったらよいのかなどを話し合うようになりました。この目標とは、2年次で設定した「ランク付け3部の中の1位を目指す」ことでした。これらの学びが功を奏したこともあり、結果的には3年次で2部に昇格。立教大学バレー部史上2部昇格は2回目で、その後もそれを維持することができました。

私は、学業と部活以外にも個人的な英語の勉強、中学生にバレーボールを指導するアルバイトもしながら、思い描いていた大学生活を送っていました。

3年次にはゼミが始まりましたが、グローバルな視点を養いたいと「国際社会学」が専門の石井ゼミに入りました。ゼミのテーマは「グローバリゼーションと文化・アイデンティティ」で、移民・観光・多文化家族・エスニックマイノリティなどのトピックから分析するという内容です。移民問題から派生し、私は自身が該当することもあり、アフリカにルーツを持つ人のアイデンティティについて考えたいと思いました。

ゼミのグループ調査では、対象をエスニシティ(人種)に絞り、中国・韓国をルーツとするアジアグループと、アフリカ系をルーツとするアフリカグループの2グループ100名以上にアンケート調査を行い、インタビューも数人行うなど調査の手法を学びました。

その後の卒業論文の執筆は、進める分量の目標を細かく設定し、ひたすら作業をして、何度も先生に途中確認をとりました。この一連の作業で、スケジュール管理能力や情報を収集する力、論理的思考力などさまざまなスキルが身につきましたし、自身が知りたかったこと、自身のアイデンティティについて再認識することができました。

イギリスの大学院でスポーツマネジメントを学ぶ道にチャレンジ

就職については、3年次の春ごろから悩みました。入学当初から国際的なことに目が向いていましたし、留学の可能性も見据えて英語も鍛錬していました。スポーツ関連の講義をいろいろと受けるうちに、もっとその分野を極めたいと思うようになりました。決め手は「スポーツマネジメント」と「スポーツ政策」でした。そこからスポーツについて勉強できる大学を探し始めたところ、イギリスに数えきれないくらいの学科がありました。

より社会学的な「スポーツマネジメント」という分野に絞ることになりましたが、学部を経済学部に変えての大学院受験となり、勉強する期間は1年だけ。合格し、入学してから「さあ、スポーツマネジメントを勉強しよう」では、語学力を含めてついていけません。その厳しさに迷いがありました。ゼミの石井先生に相談したところ「いいじゃない。チャレンジしてみたら?」と背中を押してくださいました。石井先生はじめ、部活の顧問の先生、スポーツウエルネス学部のある福祉学部の先生まで推薦状を書いてくださいました。

英語の勉強は、1年次のころから空き時間を見つけては、キャリアセンターの英会話講座を1日30分受けていました。留学生のチューターを引き受けたり、英語の講義を積極的に受けたこともあり、まったくの初心者から、大学院受験の際に必要なレベルまでスキルを高めることができました。

立教大学は学年や学部に関係なく受講できる授業が多く、留学や語学力に対する手厚いサポートも含めて、自分がやりたいこと、学びたいことをとことん追求できる環境が整っていました。部活動を通して、チームメイトと深い友情関係を築くこともできました。バレーボールなのか、学業なのか。どちらかひとつしかできないというイメージを捨て、立教大学社会学部に入学して本当に良かったと思っています。

おかげでさまざまな条件が整い、無事に希望の大学院に進む準備が整いました。イギリスで勉強し、そのままヨーロッパに残り、何かのスポーツチームや連盟、団体やスポーツメーカーなどで働き経験を積みたいです。自分がバレーボール選手として打ち込んできた経験や知識、立教大学で身につけた社会学的視点、これから行く大学院で学ぶことを活かし、自分の道を極めたいと思っています。

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