社会学部メディア社会学科3年の水野優志さんにインタビュー

メディア社会学科 水野優志

2024/04/21

在学生

OVERVIEW

社会学部メディア社会学科3年の水野優志さんに、立教大学での学びについて語っていただきました。

「あたりまえを疑う」「見えないものに目を向ける」社会学の面白さを体感しました

社会学の基礎は「言語化して理解し直す」こと

私は、特定の分野に縛られず幅広く「社会」について学ぶことのできる、社会学部への進学を選択しました。その中でメディア社会学科を選択した理由は、マスメディアやソーシャルメディアなどあらゆるメディアに興味があったからです。大学でメディアの扱い方や見方、その性質について学問として学ぶことは、急速に進む情報社会を生き抜くためにも大変意義があると考えました。

学部への進学を考えていた際に、社会学とはどのような学問なのかを調べたのですが、社会学とは「あたりまえを疑う」学問だということを知り、魅力を感じました。それと同時に、社会学部メディア社会学科での生活を通して「批判的思考」を学びたいと思いました。世の中にはあらゆるあたりまえが存在していますが、それはどのような立場、境遇、人種、性別の方が見ても「あたりまえ」であるのか、情報が溢れる現代社会で、今自分が見ているその情報は本当に正しい情報なのか、批判的思考を養うことで今まで見えていなかったものが見えるようになるのではないか、と私は考えました。

社会学は「あたりまえを疑う」学問だという予備知識はありましたが、1年次「自己と他者の社会学」の講義では、「あたりまえを言語化できる」という、社会学の凄みに触れました。

この講義でとくに印象的だったのは、社会学者であるアーヴィング・ゴフマンの「印象操作」という理論です。これは、人々は皆自分が居合わせたコミュニケーションの場に応じた自身の「役割」を認識し、その期待されている「役割」通りに相手に見えるように意識的・無意識的に自分の振る舞いをコントロールしているというものです。

人同士がコミュニケーションをとるうえで「相手や状況によって自分がとる行動を変える」ことは、あたりまえに誰でもそうしていることです。この無意識にしている行動に立ち返って言語化し、学問として理解を深める。「言語化して理解し直す」ことの重要さを知ることができました。今まで考えもしなかった漠然としていたものが講義を通して明確化し、社会学という学問を学ぶための基礎となっているのだなと気づくことができました。

「広告・PR論」で自分自身との向き合い方を身につけた

2年次の「広告・PR論」では、効果的な広告やPRの仕方、広告がどのように考えられ、作成されているのかという人々の身近にある「広告」について深く学ぶことができ、非常に面白かったです。しかし何よりも、私が得たことは「自分自身と向き合うことの大切さ」です。

講義の中で教授やゲストスピーカーの方は、広告以外にも、就職活動や大学生活に関することまでお話ししてくださいました。その中で、自分と向き合い対話し、自己を分析することが、その後の就職活動や大学生活を充実させることに大きくつながってくる、という言葉がありました。

この言葉が活きたのは、現在行っている就職活動においてです。就活とは、企業に自分の存在をPRする活動ですが、それにはまず自分と向き合い、対話することで自分を知り尽くすことが必要不可欠です。私は就職活動に至るまで自己を深く分析したことはほとんどなく、本当の強みも分からなければ、弱みに向き合うことから逃げていた側面もありました。しかし、就職活動では嫌でも自分自身と向き合わなければいけません。

この講義での学びを思い返しながら実際に就活で活かしてみると、自分に隠れていた強みや秘めていた思い、自分が向いていること、自分の弱みを改善していくための道筋や、自身のアピール方法などに気づくことができました。

社会学におけるデータ分析の奥深さを知ることができた

「見えないものを考える」という、社会学の面白みをもっとも感じた講義は、3年次の「青年期の社会学」です。この講義では、主に現代日本の青年層に見受けられる意識や、考え方の特徴などからはじまり、最終的にわかったことは、日本の青年層の生活満足度や幸福度の高まりという事実と、青年層の自殺率や自傷行為率の高止まりという事実でした。そして、一見矛盾するふたつの事実の間にある「見えない部分」を、あらゆるデータを駆使しながら明らかにするというものでした。

「見えない部分」とは、事実が存在しないわけではなく、多様なデータを取捨選択し分析することで、隠れていた事実が見えるようになるということです。社会学の研究においては、さまざまな質的データや量的データを分析し、それらから分かったことを結びつけるという作業が基礎になります。この講義では、そのようなデータ分析の基礎を身につけることができました。

そして「専門演習2」では「多文化主義とマスメディア」について研究する林ゼミに所属。多文化共生、エスニシティ、ジェンダー、スポーツなどのキーワードから現代社会におけるメディアやジャーナリズムのあり方について、皆で議論を重ねながら研究しています。

私は最初、多文化共生や異文化理解、エスニシティに興味があったのですが、途中からスポーツにおけるジェンダー問題に関心を持ち、そちらの分野に方向転換しました。現在は、スポーツ新聞における、アスリートのジェンダー表象(性差の比較)について研究を行っており、卒論もこれに関連したテーマを扱う予定です。卒業論文は、大学での学びの集大成です。この3年間で身につけた「あたりまえを疑う」「見えないものに目を向ける」というポイントをしっかりと意識し、妥協せずに取り組みたいと考えています。

立教大学では、専門分野に縛られず多様な学びを吸収できる

立教大学では、自分の学部学科の授業に加えて全学共通科目や他学部科目、他学科科目など幅広く授業を履修することができ、自分の専門分野に縛られず多様な学びができる環境があります。また、さまざまな意見を持った人との意見交換の場や、異文化交流ができる機会もたくさんあります。自分は、学外で総合格闘技に取り組んだことも加え、充実した大学生活を通して、人間的に成長することができました。そして綺麗でおしゃれなキャンパスでのびのびと学びに集中できたことも、立教大学を選んでよかったことのひとつです。

将来の就職は、不動産業界を中心に考えています。私は家が与えてくれる安らぎや建物の光が創る夜景が与えてくれる希望や原動力、さまざまな街で積み重なった数々の思い出に人生を支えてきてもらったと感じています。この想いから、将来は「まちづくり」や「すまいづくり」を通して人々に安らぎや感動、希望を提供できるデベロッパーになりたいと考えています。

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