社会学部現代文化学科3年の五月女佳奈さん(メディア社会学科井手口ゼミ所属)にインタビュー

現代文化学科 五月女佳奈(メディア社会学科井手口ゼミ所属)

2024/04/22

在学生

OVERVIEW

社会学部現代文化学科3年の五月女佳奈さん(メディア社会学科井手口ゼミ所属)に、立教大学での学びについて語っていただきました。

幅広く学び、多くの経験を妥協せずにチャレンジできます。

社会学の考え方に驚き、社会学的探求心が身についた「社会学言論」

立教大学の社会学部は、やはり幅広い学問領域を学べることが一番の魅力です。人間行動や環境、社会問題だけでなく、音楽や心理、文化や会話にまで及ぶ、多くのトピックを扱う社会学という学問なら、必ずどこかで自分の興味関心のある分野に出会えるだろうと期待して、社会学部現代文化学科を選びました。

また、社会学部は教授陣がとても充実していて、それぞれの分野を専門とする先生方がそろっています。気になった分野についてより専門的に学ぶことができます。

社会学部というのは法学部の法律を学ぶ、経営学部のマーケティングを学ぶ、というような専門的知識を深く学ぶわけではありません。しかし裏を返せば、芸術・メディア・文化・人間行動など生活に関わることすべてを網羅する学問であるともいえるでしょう。このように、自分の生活している社会に疑問を持ち、多角的な視点で捉えてみたい、そしてそのうえで興味をもったものを追求したいと考えていた私にとっては、ぴったりの学部でした。

「社会学って何だろう?」という疑問は、おそらく多くの方が持っていると思います。その問いの答えが、1年次の必修科目「社会学原論1・2」でした。さまざまな概念を通して社会全体や人々の行為がどのように定義可能か、これまでの社会学者によってどのように説明されてきたかを学ぶことができ、我々が生きている社会そのものが学問として扱えることに驚いた講義でもありました。

例えばエミール・デュルケムの「自殺論」では、自殺の原因は個人には還元できず、社会が影響していることが示されています。またアーヴィング・ゴフマンは日常の相互行為について、社会という舞台における演技・儀礼的なものであると定義します。個人の行動は、社会によって生み出されているのだという社会学独自の思考法に触れ、日常の現象を言語化できることを知りましたし、社会学者たちのことを学ぶことで、身近な社会や人間行動それ自体をどう説明するかを考えようとする、社会学的探求心が身につきました。この講義をきっかけに、社会学により魅力を感じるようになりました。

多種多様な社会学のトピックから、人々の行動や心理の裏側を知る

2年次の「社会心理学」では、社会学というフィールドに心理学と共通する部分があると知ることができ、社会学の領域の広さ・面白さをあらためて実感した講義でした。もともと心理学にも興味があったのですが「社会心理学」は、社会学に隣接する学問である心理学にベースを置き、人々の行動・心理の裏にある社会状況を見つめる分野であることを知りました。

講義の中では、まったく関係ないと思われた過去の事象同士に、実は相関性があったという事例をいくつか見て、心理学と社会学には重なる部分があることに社会学の可能性を感じ、毎回どのような事例で人の心理が読み解かれるのかを楽しみにしていた講義でした。

また「フィールドスタディーズ」は、教室を飛び出して街を歩き、調査をすることで、地形の特徴や街の雰囲気などを肌で感じました。フィールドは、立教大学のある豊島区の雑司が谷。ここが、この町がこれまでどのように成長を遂げてきたのかを、実際に案内所や資料館に行くことで学び、毎日通う立教大学のある豊島区への知識と地域愛が深まりました。

3年次の「科学技術論」では、SF作品に描かれる科学技術を現代のものと照らし合わせたり、その科学技術が開発された当時の狙いや目的、想定リスクと現在の様子を比較したりと、科学技術に対してあらゆる面で考察をしていきました。

身近なアニメを例に出したり、先生の趣味のプラモデルを用いて説明をしてくれたりと、聞いているだけで好奇心をくすぐられる講義でした。普段、科学技術を意識する機会はあまりないのですが、初めはどのように生み出されたのか、昔はどのようなものだったかを知ったり、もたらされる正・負の側面を知ったりと、気づきが多かったです。また、かなり身近な例から社会全体を巻き込んだ広い話まであったため、社会の中での科学技術の位置や影響力も全体の講義を通して理解ができ、楽しみながら学ぶことができました。

プレ卒論、卒論ではCM音楽から社会を見る研究に取り組む

社会学部は自分が選択すれば、他学科の幅広い分野を学ぶことができ、ゼミもまた所属している学科とは異なる学科のゼミを選択することもできます。私は現代文化学科ですが、3年次は、メディア社会学科・井手口先生の音楽社会学を学ぶゼミに所属していました。

そして、プレ卒論として「変化する社会状況に伴うCM音楽の変遷」について研究を進めました。テレビCMは、1951年の放送開始から今に至るまで、伝える内容、特徴、音、映像などにおいて少しずつ変化しています。その背景にはテレビの普及率の変化や人々の生活行動の変化などさまざまな要素が絡み、影響し合っているといえるでしょう。

本研究では、その中でもとくにCMの中で使われる音楽について、重要度・性質の変化などに焦点を当て、社会状況との関係性を読み解こうとしています。事例分析による質的調査を主に進め、何が提唱できるか研究中です。

他学科のゼミを選ぶ際、他のゼミ生と学んできたことの差異が気になったり、募集枠が限られていたので少し不安はありました。しかし他学科との共通の講義も多くあったため、まったく問題はありませんでした。今、自分の興味関心にいちばん近いゼミのテーマで研究を進められているため、この選択をしてよかったと思っています。学科を超えてゼミを選ぶことができるこの制度は、社会学部らしくてよいと思います。

学生時代にできることを全力でやりきってこそ次につながる

立教大学は、例えば語学や情報処理技術など、1年次で学んだものをさらに突き詰めたいと思えば2年次で応用が学べるなどステップアップできる講義もあり、学びたい人はどこまでも上を目指せるカリキュラムが魅力です。

そして大学自慢のキャンパスといえば、緑と四季折々の花、そして他大学にはないような校舎に絡むツタがとても美しく、校舎内を歩くだけでも気分転換になる、とても素敵な場所です。

キャリア支援も充実しており、キャリアセンターのスタッフの方が親身になってついていてくれるので、安心して就職活動が進められますし、学校祭や新歓などの行事では学生たちがいきいき活動しています。

課外活動では、中学から吹奏楽部でドラムを叩いていたので、大学のサークルで軽音のドラムに挑戦しました。これまでと求められるスキルや奏法が少し異なるので、楽器の新たな魅力を知ることもできました。そして何より、いろいろなタイプの音楽好きの仲間と出会い、一緒に演奏するのはとても楽しいです。また、幼いころからスキーが趣味だったので、スキーサークルにも所属しています。毎年冬になると本気でスキーをして、教え、教わり合って技術向上ができるのはとても楽しいです。また、それ以外の時期もサークルの仲間と旅行やイベントを楽しんでいます。

残りの学生生活は、学びや好きなことを悔いのないよう充実させたいです。卒業後に必要になるのは学生時代に熱中できた経験だと思っています。その経験が、のちに困難が訪れたときに乗り超えようとするガッツにもつながると思うので、今できる事を卒業まで全力で行い、楽しみたいと思います。

具体的には、立教大学ならではの人気講師の講義や体験型講義を来年もいくつか履修したいと思います。また、学生のうちに計画をしっかり立てたうえで海外旅行に行きたいです。旅行をすることで計画する力を身につけるだけでなく、あらためて社会に出る前に視野も広げられると思います。

将来は、これまで大学で経験してきた多くのスキルを活かし、自分の仕事ぶりで大きく結果が変わる仕事を目指しています。それがモノなのか、アイデアなのかはまだわかりません。幅広く学び、多くの経験を妥協せずにしてきたからこそできる自分ならではのものを作り出せたら、こんなに喜ばしいことはないと思います。そして仕事に誇りを持ち、自分自身が仕事をいちばん楽しんでいたいですね。

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