社会学部現代文化学科3年の篠塚弾さんにインタビュー

現代文化学科3年 篠塚弾

2026/04/12

在学生

OVERVIEW

社会学部現代文化学科3年の篠塚弾さんに、立教大学での学びについて語っていただきました。

大学で培った「話を聞き考える力」を活かして、将来は第一次産業に貢献したい

「当たり前を疑う」という社会学の前提を理解できた「社会学原論」

高校生のとき、森林や環境について学び、それをテーマに卒論を書いた経験があったので、現代の環境問題についてもっと深く知りたいという気持ちがありました。現代文化学科は文化や都市、環境など多彩なテーマを自由に横断して学ぶことができるところが魅力で、自分の興味にしたがって農業や水害の問題など、学びの裾野を広げられると思いました。

1年次の最初のころ、社会学の基本となる考え方を学んだのが必修授業の「社会学原論」でした。中でも、アメリカの社会学者アーネスト・バージェスが提唱した「同心円地帯理論」が強く印象に残っています。これは、アメリカのシカゴを対象に、都市の内部構造をモデル化し、そこに発生する権力構造を考えるという理論でした。入学したばかりのころですから、最初は少し難しいと思いましたが、先生方々がわかりやすく解説してくださいました。この理論は自分とその周辺の環境を考えるうえでも重要なモデルとなっているもので、3年次の現在でも役に立っており、ゼミや自身の学びに活かされています。

そして社会学が「当たり前を疑う学問」だということは周辺から聞いており、具体的に「それはどういうこと?」と思っていたので、「社会学原論」を学んでいくうちにそれがよくわかりました。

「写真文化論」では、日常で見過ごされがちなものに焦点を当てる視点を学んだ

私は高校生のころは写真部で、今はドライブをしながら自然の写真などを撮るのが趣味です。ですから2年次では「写真文化論」の授業をとりました。先生が写真家の方で、自由度の高い授業でした。写真が私たちの生活に及ぼす影響について、文化史と実際の写真を通じて学ぶというものです。

この授業では「身近にあるもので、人があまり気にとめていないような物の写真を自由に100枚撮る」という課題がありました。町中にある段差や水道の蛇口、三角コーンなど100枚をスマホで撮影し、それをあとからまとめて見直して共通点などを考察するという作業です。

学生が撮影した玄関マットの写真を見て、初めて「確かに。普段は見ていない」と気がつきましたね。目に見えて理解はしていますが、認知はしていない。何気ない物の写真を撮って、空間を切り取って改めて見てみる。そうすると、今まで何も感じていなかったのに「玄関マット」が頭に入ってくる。この体験は新鮮でした。「当たり前すぎて目に入っていないもの」を再確認することはまさに、社会学だと思いました。

「放置人工林と熊問題」をテーマにした卒論に取り組む

ゼミでの研究は「東京23区の戦争被害について」で、テーマは「記憶の継承」です。自分の興味がある森林・林業の分野は、戦後の拡大期の歴史がとても大事です。その歴史が失われたままの改善はあり得ません。ですから歴史の継承という面において、自分のやりたい分野に結びつけられるかなと思い、関ゼミを希望しました。

卒論は「放置人工林と熊問題」をテーマにします。文献調査や現地でのインタビューを通して、森林管理への無関心がどのように広がってきたのかを明らかにするとともに、その結果としてクマの生活環境がどのように変化し、人里への出没増加にどのような影響を与えているのかを考察します。人と自然の関係の変容を、社会意識の側面から読み解くことを目指しています。

役に立ったことで言えば、ゼミの中で先生が提示してくださった「境界の社会学」という文献を読む時間がありました。ゼミでは戦争を扱っているので、人と人、国と国の境界などが主なテーマでしたが、それこそ自分の興味分野に照らし合わせると、クマと人の境界を考えるうえで役立ちましたね。境界とはどのように成り立ち、向こう側をどうとらえるかなど、クマ問題を考えるカギにもなりました。

「都市コミュニティ論」の授業の中でも、同じような気づきがありました。日本のコミュニティがどのように成立したのかなどの中で、町内会が重要なのではないか、という話が出ました。人と人同士の関わりの希薄さ、近隣周囲への注意が行き届かなくなっていることが問題になっている事例を聞いたときに、これはクマの市街地出没問題にも置き換えられると思いました。

幅広い視点を持って日本の一次産業に貢献したい

4年次は卒業論文に力を入れ、文献調査やインタビューを通して関心のある社会課題を丁寧に学んでいきたいと思います。自分は最近まで、どちらかといえば引っ込み思案でした。しかし卒論の研究を行ううえで、林業事業者の方々に直接お話しを伺う作業は欠かせません。ここは積極的になろうと自分で自分を励ましました。当たって砕けろと言いますが、砕けるといっても、そうたいしたことでもないかと、思い切ってインタビューができたことは、自己成長できた点かなと思いますね。

大学で学ぶ中で、日本の一次産業がいかに衰退しているかということを強く実感しました。水産業・農業・林業の自給率は、国力を高めるために重要となる要件です。卒業後は、大学で培った「話を聞き、考える力」を活かしながら、人や地域と向き合い、さまざまな声に耳を傾けて社会に関わり、仕事を通じて日本の一次産業に貢献できればと考えています。

2年次のときに、東京ビッグサイトで行われていた森林林業セミナーに参加しました。そこで、自分が注目していた企業に出会いました。北海道で、ビート糖を使って砂糖を作っている会社です。その企業は地域を大事にしており、農家の支援から生産まで一貫した事業を行っています。砂糖を製造するだけではなく、ビートを無駄なく使う活動や、自然分解するペーパーポットという製品も作っていたり、林業に対する支援も行っています。将来はこのような会社で働きたいですね。

立教大学はとても自由度の高い大学です。留学生も多く、それぞれの考えや文化に触れることができます。「大学の授業で学んだこと」を、自身の趣味や違う立場の人の視点から改めて捉え直す。幅広い視点を得ることができたのは、今後も大いに役立つことだと思います。

私のお気に入り授業:環境政策論

スケジュールを組むうえで意識したことは、空きコマを作らないこと。また、あまり興味がない授業でもひとつは履修してみることです。社会学部ではとても広い分野を学ぶことができるので、意外な授業から、自分の興味のある分野に対する唐突な気づきや発見を得ることがあります。

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