社会学部社会学科国際社会コース3年の佐藤唯芽さんにインタビュー

社会学科国際社会コース3年 佐藤唯芽

2026/04/16

在学生

OVERVIEW

社会学部社会学科国際社会コース3年の佐藤唯芽さんに、立教大学での学びについて語っていただきました。

留学していたカナダと日本の社会の違いを知るために

英語を使える環境で興味分野を学ぶ楽しさ

私は、母が留学エージェントの仕事をしていたこともあり、幼少期から海外旅行にはよく行っていました。中学生のころにはすでに留学を決めており、高校1年生から3年間、カナダに留学していました。クラスには移民の子どもも多く多国籍でした。男女格差や宗教差別などについて学ぶ機会があったり、クラス内にトランスジェンダーの学生がいるような空間だったので、高校生であっても自由な社会があるということに驚きました。

留学先では、カナダと母国である日本の社会のあり方が大きく異なることに疑問を持ちました。男女格差や同性婚など他国に比べてなぜ日本社会が法の改善などを行わないのか、などについて、その理由や歴史的背景を学びたいと考え、日本の大学に進学することに決めました。とくにジェンダーやセクシュアリティについて勉強したい気持ちが強かったため、それらに関する授業が多い立教大学を選択しました。国際社会コースに決めたのは、身につけた英語を使える環境で学びたかったからです。

1年次の「人権とジェンダー」はまさに、自分の学びたかった内容でした。この授業ではジェンダーに関する映画やCMなどメディアでの表現が紹介されるなど、基礎的な知識を学びました。そして、ゲスト講師の回も何度かあり、実際に長時間労働を経験した方の貴重なお話を聞くことができました。当時の状況を詳しく説明してくださり、気づかないうちに自分で自分を追い込んでいく長時間労働の様子がわかりました。他人は「簡単にやめられるのではないか」と思うかもしれませんが、当事者はそうではないのが現実でした。

やはり、カナダと日本では働き方が違うようでした。日本には、男性が働いて女性が家庭に入るという性別役割分業がベースにあります。カナダにもそれはありつつも、ワークライフバランスを重要視している国なので、男女平等をもとに政府の制度面の改善が多く、賃金や昇進の早さ、管理職の割合も男女同じくらいなど、かなりの違いがありました。

留学生を交えて議論して他国の制度や文化を知る

英語が話せるとはいえ「Lecture & Discussion on Culture B」の授業は苦労しました。AIや性暴力、新たな社会学的な概念などについてグループでディスカッションやプレゼンテーションを行い、論文を書く。日本語だとしても難しい題材でした。ドイツ人や中国人など留学生がいる中で話さなくてはいけない環境で、仲間と意見をすり合わせて発表することも大変でした。考え方もそれぞれ違うため、プレゼンテーションを行うにあたり情報の整理や、発表の仕方に悩みましたが、留学生と交流ができることで、他国ではどのような制度や文化があるのかを知ることができ、毎回の授業は学びが多かったです。

私たちのグループはAIや性暴力に関して、2020年ごろ韓国で大問題になった通称「n部屋事件」という事件をとり上げました。コミュニケーションアプリを通じて罠にかけられ、脅迫された未成年を含む女性たちのワイセツな動画がこの中で配信され、何千、何万人が視聴していたという事件です。ほかにも最近問題になっている、AIによって加工された性的な写真が本人の知らないところで出回ってしまうことなどの課題を提示し、問題意識をもたなくてはいけないと発表しました。

この授業を通して英語力が鍛えられたことはもちろんのこと、興味のあることに対して「この問題をとり上げたいから、このように伝えよう」など、相手に積極的に意見を伝え、自ら動く力など主体性が身につきました。

公害問題や自然破壊などの実例について、初めて知ることになったのが「環境社会論」でした。ドキュメンタリー映画を数本見て、例えば昭和の時代に団体旅行が流行ったことで、田舎に大きな建物が建って町並みが変わり、自然が破壊されてしまわないように必死に抗議した地元民がいたことなどを知りました。環境問題で使われる言葉の「保全」と「保存」は意味が違うことや、かつて起こっていた公害問題も、解決したかのように見えて、それが複数の問題と絡んでまた新たな問題になっているなど、環境問題は積み重なり繰り返されてきたものであることを知り、すべて自分ごととして考えることができました。環境について考えたことで、社会学は身近な問題であることが多く、視野が広がれば自分の行動も意識的に変化させることができる学びだなと思いました。

立教大学で社会学の概念を英語で学べてよかった

ゼミは、入学当初から興味のある分野を選びました。「ジェンダー・セクシュアリティの社会学」をテーマにした杉浦ゼミで、格差や差別など、不正義のある現状をジェンダーやセクシュアリティの視点から分析。主に性的役割分業、男女格差やマイノリティについて研究しています。やはり、カナダと日本の比較を追求したいという思いがあって、卒論は「子供を持つ父親に向けた仕事と子育ての両立支援に向けて—日本とカナダの制度比較を通して(仮)」というタイトルで進めています。これは、労働環境が家族関係に与える影響についての研究です。とくに日本の長時間労働や不規則な勤務体系などが家族の時間を奪い、家族間の関係にも負の影響を与えていることを調査し、私が留学していたカナダの状況と比較することで、日本が今後どのように改める必要があるのかについて、解決策を提示したいと考えています。

今は先行研究の段階なので、文献調査を行っています。まず、私の問題意識としては日本の男性の長時間労働や働き方に柔軟性がないために、家族と過ごす時間が短いことが問題だと思っています。カナダでは、仕事は15時くらいに終わり男性も家事を分担し、育児も行うという男女平等の環境があります。いろいろな休暇制度も整っていることがわかりました。今回の研究で気づいたのは、労働法の違いでした。日本の地方は国が決めたことに従いますが、カナダでは国と州とで制度を決めます。その違いを探し出し、日本では制度をどう改善することで労働のあり方がよくなるかを示したいです。

卒論のベースには、自分の家族観があると思います。私が育ったのは、性別役割分業が強い家庭でした。父は、新卒で入社して以来、ずっと同じ会社に何十年も勤務する典型的なサラリーマンでした。私が小さいころから父は毎日夜中に帰宅し、話をする時間がほとんどないくらいでした。母は、子ども3人を抱えて共働きで大変でした。自分の親や周りの人たちに頼って育児や家事ができていたようです。1人では無理だったと言っていました。ですから今も正直、父と私の間には多少の距離を感じます。これは、今すぐどうにか改善できるものではありません。このような家庭に育って同じような経験をしている人は私だけではないと思います。そんな思いもあり、労働のあり方を変えられるものを探りたいと思いました。

国際社会コースで、ずっと英語に触れてきたので、語学を活かせる仕事に就くことができたら理想ですが、私はモノづくりにも興味があります。今は人の悩みを改善できて、進化し続ける化粧品をつくってみたいと思っています。男性用化粧品の開発などもやってみたいです。海外事業部などで英語を活かすことができたらもっといいですね。インターンを行う中で、4~5人のチームで化粧品の提案を行ったことがあります。夏だったこともあって、チームメンバーの1人が顔の汗で悩んでいたことがヒントになり、顔の汗を抑えるスティックタイプの制汗剤を提案。化粧品を商品化するプロセスを体験することができました。

この3年間、立教大学で社会学の概念を英語で学ぶことができてよかったです。英語の授業で世界の社会問題まで知ることができました。留学生と交流ができ、相手の国の文化について知識が増えました。またディスカッションで、自分の視点や、これまで生きてきた中でこういう気づきがあり、このような問題と関連していると思う、などの発言をするととても共感してもらえて議論が発展しました。自分から積極的に意見を言うことの大切さを学びました。

私のお気に入り授業:現代社会と観光

なるべく同じような時間帯に、多すぎないように授業を入れると集中して勉強することができます。今は、時間の余裕を意識したスケジュールです。月曜と金曜は授業を入れずに空けて、企業説明会を受けたりエントリーシートを書くなど就職活動にあてるほか、アルバイトもしています。

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