社会学部メディア社会学科3年の遠藤緋那さんにインタビュー

メディア社会学科3年 遠藤緋那

2026/04/18

在学生

OVERVIEW

社会学部メディア社会学科3年の遠藤緋那さんに、立教大学での学びとソーシャルデータサイエンスついて語っていただきました。

データの先にいる人の行動や心理を想像することの大切さを学んだ

SDSコースの必修科目となる「メディア調査実習」で初めて分析調査に触れる

高校生のときは、バスケ部で毎日のように練習がありとても忙しい生活でした。そんな中でも自分は何に興味があるかを考えたとき、思い浮かんだのがマスメディアや広告についてでした。その仕組みや私たちとの関わり、影響について学びたいと思っていました。また、メディアの表現の問題や社会心理学についても関心があったので、メディア社会学科を選択しました。

授業の中に「メディア調査実習」があります。私は、実践的な授業を受けておくと、将来の役に立つかなと思い、それを春学期と秋学期にとっていました。春が入門、秋が応用です。この「メディア調査実習」の授業は、立教大学に新設されたSDS(ソーシャルデータサイエンス)コースの中核となる必修のひとつ「ソーシャルデータサイエンス実習」という科目になると聞きました。

マーケティングに興味をもったのは、2年次の終わりくらいから。商品を売り出すという部分において、購買層などのデータを分析して、どのような商品が売れていて、どのようなアプロ—チで施策を打てばよいのかを学べたら、今後の就職にも役立つと思いました。データ分析や数字には苦手意識がありましたが、シラバスに「初心者でも大丈夫」と書いていたので、思い切って履修しました。

ID-POSデータから顧客ごとの詳細な購買行動を把握する

「メディア調査実習」の先生の専門はID-POSのデータ分析です。先生が企業のデータを数多く扱っており、春学期入門ではその中から、あるドラッグストア3店舗分の情報が提供されました。私たち4人のグループは、20代の購買行動を分析することにしました。そのドラッグストアのある地域は高齢化が進んでいたので、高齢者に対しての施策はいろいろと打たれていたのですが、逆に若者向けの施策を打っていかないと、顧客がいなくなってしまうのではないか、という点に着目しました。

ID-POSデータとは、顧客識別IDと紐付けられた購買データのことです。「誰が」「何を」「いつ」「いくつ」「いくらで」購入したかという情報です。従来のPOSデータよりも、顧客の性別、年代、居住地域などの属性情報や、購買頻度、リピート率といった顧客ごとの詳細な購買行動を把握できるものです。

3店舗分の20代男女のデータを集めてみると、もちろんその中には、女性ならではの日用品の購買量も多くありました。しかし、ある日用品を1人で大量に購入している例があることがわかりました。これは、おそらく転売目的なのか、大きな施設で使うためなのかという予測をしました。その例を除外してその他を見てみると、20代は日用品とともに男女とも生花をたくさん買っていることがわかったのです。

プログラミング言語のPythonを使って調べたい事柄のコードを書く

なぜ20代は生花をたくさん買っているのか理由まではわかりませんでしたが、花と何か他の商品の組み合わせで、もっと売り上げを伸ばせるような併売の施策を考えました。若年層は、ネット通販で物はそろってしまうので、どうやって店舗に来てもらえるか、店舗だからこその体験、付加価値をつけることが大事だと思ったのです。

そこで、店舗の一角を貸し切ってナイトフラワーイベントを開催する。また花と関連づけて、香りのある日用品を実際に体験してもらって、自分に合うものを選んでもらえるような企画も提案しました。ほかにも、ママ層が集まる交流イベントなどいくつかの案を考え、最終的には、データ分析会社の社員の方お2人を前に発表を行いました。

「メディア調査実習」のシラバスを見たときは、難しそうだと思いました。しかし実際に、データ分析や統計解析に用いられるプログラミング言語のPythonを使うときには、先生やAIが助けてくれますし、初心者でも問題なくとり組むことができます。大量のデータの中から、自分たちが調べたいものの情報だけを取り出すコードがあるので、まずは先生がそれを教えてくださいます。それを、自分たちが調べたい商品に書き換えて分析してみる、という作業でした。大枠は先生がやってくださり、商品名やジャンルは希望のものに変えるとそれが出てくる。やっているとエラーが出てくることもあるのですが、そこは先生に聞いたり、AIがさまざまな修正をかけるなど、助けてくれました。

予想通りの結果のときもあれば、転売ヤーのような大量購入者の存在を見つけたり、20代で生花を買っている人が多かったりと予想外の結果がたくさんあり、おもしろかったですね。データを読み解く力はもちろんですが、データの先にいる人の行動や心理を想像することの大切さを学びました。

秋学期の応用では、チームに分かれてある特定のエナジードリンクの分析をします。エナジードリンクとしてよく知られた3銘柄の流入・流出を調べたり、3銘柄が区別なく同じものとして飲んでいる人が多いのか、それとも、銘柄をいつも決めて飲んでいるのか。競合商品としてほかに何が買われているのかなどがわかったら、よりその特定のエナジードリンクの売り上げ施策が考えやすいのではないか、などを話し合っています。また、勉強に集中したいときに食べるチョコレートなど、お菓子とエナジードリンクの併買率が高いということもあって、より具体的にどの商品名が売れているのかなどを調べる予定です。

ゼミではSNS分析ツールの使い方を覚え、世の中の動きや人々の心理が読みとる

私はゼミも、ソーシャルデータ分析に触れるゼミに所属しました。春学期は、SNSと若者の趣味行動について分析しました。また、SNSと購買行動の関連にも興味があり、今後はSNSと美容意識・化粧品購入の関連について分析しようと考えています。日常的に使っているSNSから世の中の動きや人々の心理が読みとることができます。

春学期は「SNSと編み物ブーム」についての調査を行いました。若者の間で、昨年の夏ごろから編み物が流行っています。あるK-POPアイドルが編み物をしている様子をSNSで上げたことがバズるもとになり、それをきっかけに若者の中で編み物を始める人が増えて、毛糸売り場に毛糸がなくなるという現象がニュースでとり上げられるようになりました。編み物がブームになったその本当の理由は何か。私はそれが知りたくて、ハッシュタグなどを分析して調査を進めました。ゼミでは、複数のSNSに対応できるSNS分析ツールを使うことができ、ハッシュタグをはじめ、何月何日、どのようなワードが多く使われているのか。どのようなワードがどれくらい検索されているのかなどを知ることができます。その中で、ある企業が「#編み物」というワードを使ったキャンペーンを行っており「#編み物」をリポストすると商品が当たる、ということも編み物ブームの一端だったこともわかり、有名人が編み物をしていたことをきっかけに、それが波のように広がっていって、そのK-POPアイドルを知らない人でも「流行っているからそれにのりたい」という心理で編み物をはじめた結果、ブームになったのではないかという結果が得られました。

卒論では、美容商品の購買行動や、インフルエンサーマーケティングについて調べるのですが「メディア調査実習」で使ったpythonはゼミでも使いますし、そのほかの分析ツールも使います。学んできたことの集大成として、インフルエンサー広告がもつ「ライフスタイル提示型の影響力」のメカニズムを明らかにし、現代のSNSマーケティングについて考察していきたいと考えています。

自分の気になることや、社会で起こるブームについて、また、それが人々の購買行動にどのような影響を与えているのかを調べるにあたり、数字が必要になります。もともと、プログラミングとかデータ分析はまったくやったことなく、苦手だと思っていましたが、物事を掘り下げる手段として数値がきちんと出てくると、新たな発見があっておもしろいということを気づかせてくれた、その始まりが「メディア調査実習」の授業でした。

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