社会学科、渡邉 隆靖さんに聞く、10の質問

社会学科 渡邉 隆靖

2020/06/23

在学生

Q.1 立教大学社会学部社会学科を選んだ理由を教えてください。

高校の授業の中で、興味のある学問を調べる学問研究という時間があり、そこで社会学に興味を持ったのがきっかけです。社会問題全般を社会学的視点で分析し、解決法を模索してみたいと思い、社会学部のある大学に入学しようと決めました。

Q.2 社会学科の科目の中で一番面白かった授業は何ですか?

3年生の春学期に勉強した、木下康仁先生の「データ対話型分析法」です。あるインタビューデータを、M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)という方法を用いて理論生成を行う実習形式の授業でした。インタビュー内容の意味をまとめ、概念をつくり理論を構築していくのですが、苦労して作業を進めるうちに、それまで見えてこなかったものが見えた瞬間がありとても興奮しました。分析する楽しさを体感した授業でした。

Q.3 所属しているゼミの内容と選んだ理由について教えてください。

野呂先生の地域社会を扱うゼミに所属しています。地域社会の生活と交流が研究テーマで、自分がその分野に興味があり、卒論のテーマに最も近い内容だったので決めました。私がなぜ地域社会の生活と交流に関心を持ったのかというと、茨城県鹿嶋市に親戚が所有する空き別荘がありまして、そこに祖父母と物件の手入れなどで通っているうちに、ほかにも空き別荘が複数存在し、社会問題になっていることを知ったのがきっかけです。

Q.4 卒業論文(研究)はどのようなテーマに取り組む予定ですか?

「高齢者による互助的地域コミュニティ」がテーマです。先ほど述べた鹿嶋市の空き別荘問題なのですが、反面で別荘の持ち主たちやリタイア層が鹿嶋市に移住してきて互助組織をつくる動きもあり、そこに学ぶべきものがあると感じました。これから人口が半減する自治体が急増する時代に、もはや公助によるカバーは厳しい現実があります。地域での助け合いこそが、大事になってくるのではないかなと。そのようなことをまとめてみようと考えています。

Q.5 社会学の魅力は何ですか?学ぶ中で社会学についてわかってきたことを教えてください。

ふたつあります。ひとつは、ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーが提唱した概念に「価値自由」というものがあります。その勉強でわかったことは、社会学が価値判断と事実認識の分離のもと社会を分析し、選択肢を示すことで民主的な意思決定をサポートするという社会的役割を担っているということです。そこが自分の価値観に合っていて魅力でもあります。そしてもうひとつの魅力は、学問的な懐の深さです。多様な研究テーマが認められるので、学問的なフロンティアが多く残されていると思います。誰でもその分野の第一人者になれる可能性がありますよね。

Q.6 あなたにとって大学とはどんな場所ですか?

自分がやりたい勉強ができる場所です。いろいろな講義を受けることができ、毎日新しい発見があり、さまざまな知見を深めることができてやりがいを感じます。何より日々の学生生活が楽しいです。受験勉強をしていた高校時代には感じることができなかった楽しさですね。

Q.7 今までの学生生活の中で一番の思い出は何ですか?

代表を務めている登山サークル「理学部山の会」の活動です。20名弱の人数ですが、よい仲間に恵まれて充実しています。毎週土曜日にはランニングを行い、学期中は日曜日に日帰り登山、長期休暇中は山小屋やテント泊登山で2000~3000m級の山に登ります。美しさで思い出深い山は、山梨県南アルプス北東部にある、鳳凰三山と呼ばれる地蔵ケ岳・観音ケ岳・薬師ケ岳ですね。

Q.8 今まで最も影響を受けたものは何ですか?

自分の家族です。両親と4歳年下の妹からは、人格形成において最も影響を受けていると思います。そして祖父母4人とも健在で、小さなころから可愛がってくれました。よく本をプレゼントされ考える機会をもらいましたし、自然の中で遊ばせ感受性をのばしてくれたことには感謝しています。

Q.9 将来の夢は何ですか?

大学院へ進み、研究者になって地域社会学の勉強をずっと続けたいです。社会を分析し、政策提言の仕事にたずさわることができれば理想的です。最近、公務員の方から話を聞く機会があったのですが、公務員になったほうがより直接、政策的なことにかかわれるかもしれないとも思うので、今は両方の道を視野に入れています。公務員試験の勉強も並行しているので大変です!

Q.10 最後に高校生へのメッセージをお願いします。

大学へ進学するのなら、何を勉強するために行くのかを明確にすることです。それを忘れてしまうと、せっかくの大学生活を有意義に過ごすことができないと思うのです。合格歴や肩書ではなく、4年間を通して学習歴を積み上げてください。そして、やりたいことは欲張って二兎でも三兎でも追ってください!

(2021年度版学部案内より転載)

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