社会学部現代文化学科4年の岡 優太さんにインタビュー

現代文化学科 岡 優太

2021/11/01

在学生

OVERVIEW

社会学部現代文化学科4年の岡 優太さんに、立教大学での学びについて語っていただきました。

物事を見つめる社会学的視点を職場で活かしたい

ゼミ生同士の相乗効果で刺激を受けた

私が所属する小池ゼミでは「宗教社会学」をあつかい、その対象は新興宗教やスピリチュアル系にまでおよびます。春学期は、事前に与えられた論文を読み、それをもとにゼミ生同士でディスカッションを行います。最初は、発言することに不安がありましたが、ほかのゼミ生の積極的な姿勢に刺激され「私も頑張らなければ!」と奮起したことを覚えています。そうしたゼミ生同士の相乗効果もあり、毎回のディスカッションの内容は非常に濃密でした。大学での学び全体にも活かすことができたと感じています。
秋学期は「宗教社会学」の枠にとらわれず、個人の関心のあるテーマを自由に設定し、インタビュー調査をもとにレポートを作成していきます。私は「現代のレトロブームの考察」をテーマに、関連雑誌を出版している出版社の編集部にアポを取り、実際に足を運び編集者の方にインタビューをさせていただきました。最前線で活躍されている方のお話を近い距離で伺うことができたこの経験は、のちの卒論の執筆にかなり役立ちました。

「フィールド実習」で物事を見る視点を養う

矢吹先生の「フィールド実習」では、「視点」をどこに置くかで、見えるものが全く異なることを学びました。授業では、実際になんらかの「当事者」にお会いして調査を行います。その人にしかわからないリアルなお話や、社会への憤りなど、机に座って学ぶだけでは到底知り得なかったことを肌で感じました。
ひとつの事象を一歩引いて俯瞰的に見つめるのか、その当事者として見つめるのかで、世界はまるで違います。文献に記されている事象と、実際その世界に飛び込んでみたら文献の内容と全く違って衝撃を受けたこともあります。俯瞰的に見つめる「鳥の目」と、足を使って当事者目線で見つめる「虫の目」を使い分けることの重要性を知ることができました。

卒論を書き上げたことが大きな自信につながった

私は某フードデリバリーサービスの配達員として働いた経験があります。そして、配達中にさまざまな違和感を持つことがありました。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛に伴って注目されたフードデリバリーサービスですが、その裏には配達員を搾取する仕組みが放置されている現実がありました。そのようなことがきっかけで、アプリなどのプラットフォームを通じて行われる経済活動を深掘りしようと、卒論は「プラットフォームエコノミーの光と影」をテーマにしました。
労働組合に所属する配達員の方を対象に、オンラインでインタビュー調査を行うなど、プラットフォームエコノミー全体に共通する労働者の問題点を探り、なんとか書き上げることができました。コロナ禍において制約が多く、思うように人に会うことはできませんでしたが、与えられた状況の中で、いかに最上のものを作り上げることができるか。考え抜いたうえで執筆した論文だったので、形にできたことは自分にとっても大きな自信になりました。

学生の可能性を引き出すフィールドがすべて用意された「自由の学府」

私が高校生のころは、自分が何になりたいのか、またどうあるべきなのか、右も左も分かりませんでした。立教大学社会学部を選んだ理由は、社会で起こっている現象の背景や、その理由に興味があり「ここなら楽しく勉強できそうだな」と思ったから。「自分はこうなりたい」という将来像は定まってはいませんでしたが、今思えばそれで正解でした。自分の「これから」は今が出発点です。立教大学には、出発点から先を導いてくれる環境のすべてそろっています。
ここは「自由の学府」の呼び名に相応しい場所です。すべての学生の主体性が担保されたうえで「こうありたい」や「こうしたい」を実現できるフィールドが用意されています。
今ふり返ってみても「やりたくてもできなかったこと」はありません。農業ボランティアや語学研修など、あらゆる大学のプログラムを利用しました。また、4年間を通し、国内海外問わずたくさん旅もしました。立教大学に入学したからこそ経験できたことがあり、それがあったからこそ今の自分があると感じています。

記者として働き、社会問題を自ら掘り起こしていきたい

卒業後は通信社の記者として働きます。社会学部で実践してきたことと同じように、社会を見つめ、問題提起をしていく仕事です。社会学部に入ったことで、社会がどのようにして成り立っているのか、その「土壌」の部分を学ぶことができました。しかし、その「土壌」の中にはまだまだ知らない世界や社会問題があるのではないかと感じるようになり、それが記者という道につながりました。今後は「土壌」に埋もれた社会問題を自ら掘り起こし、それに新たな花が咲くまでの「解決」への出発点となるような存在になれればと思っています。

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